第67回カンヌ映画祭

今年もカンヌ映画祭に行ってきました。今回の完走は53本(内訳は、コンペ16本、ある視点9本、特別上映1本、監督週間15本、批評家週間5本、ACID1本、マーケット6本)。途中退出したものを含めると、12日間で60本近い作品を観ることができました。 その中での…

第66回カンヌ映画祭

今年も充実した二週間でした。カンヌで観たものにパリでの再上映等で観たものを含め、計59本の星取表とコメントです。下の写真も曇天ですが、今年はカンヌでは経験したことの無いほどの悪天候。それでも作品の方は粒揃いでした。ただ、大傑作や大発見が少な…

第65回カンヌ映画祭・星取表

ミヒャエル・ハネケの『Love』がパルム・ドールを受賞して、今年のカンヌ映画祭が終了しました。今回は期間中に合計58本の映画を見ることが出来ました。(追記:パリでの再上映と公開済みの作品5本を追加したので、計63本になっています。) 【コンペティシ…

第65回カンヌ映画祭・公式ラインナップ

来月のカンヌ映画祭の公式上映のラインナップが発表されました。 コンペにこれだけのビッグ・ネームを揃えられるのはカンヌ以外には有り得ませんね。三大映画祭とは言うけれど、ベルリン、ヴェネチアを圧倒しているのは言うまでもありません。個人的な注目は…

第65回カンヌ映画祭・公式ポスター

今年のカンヌ映画祭は5月16日から27日に開催されます。 既に審査員長をナンニ・モレッティが務めることと、今年没後50年のマリリン・モンローをあしらった公式ポスターが発表されています。注目のラインナップ発表は、例年開幕の一ヶ月前なので4月中旬でしょ…

第64回カンヌ映画祭・ラインナップ

もう一年が経ってしまいました。もうすぐカンヌ映画祭です。 今年も沢山映画を観に行ってきます。とりあえず公式上映作品のご紹介。 * * * 【コンペティション】 ・ペドロ・アルモドバル『The Skin I Live In』(スペイン) ・ベルトラン・ボネロ『House of To…

2010年カンヌ映画祭報告

今年もカンヌ映画祭に行ってきました。 今回が4回目のカンヌでしたが、今回の受賞結果が一番納得のいくものでした。アピチャッポンのパルム・ドールはもちろん、グザヴィエ・ボーヴォワのグランプリ、そして何といってもマチューの監督賞。審査員賞か女優の…

カンヌ映画祭2010

今年もカンヌに来ています。 今日で丁度折り返し地点といった感じです。 観たものの短評はTwitterで残しています。 https://twitter.com/bazinien

2009年ベスト10

お久しぶりです。大晦日なので今年一年を振り返ってみます。 1.「カルロス・レイガダス特集」@東京国際映画祭 今年最大の事件と言って過言では無いでしょう。『ハポン』の衝撃以来、ずっと追いかけてきたレイガダスの三本が東京で特集上映。監督も来日して…

カンヌ映画日誌2009・第12日

いよいよ最終日。この日はコンペの再上映があるので、見逃していたものを見て回る。とりあえず『The White Ribbon』(ミヒャエル・ハネケ)を見始めたものの、疲れもあってか眠気に襲われてしまい途中退場。ただ、ハネケのようなあくの強い監督が、こういう…

カンヌ映画日誌2009・第11日

マーケットも平行部門も昨日で終わってしまったので、今日はコンペの二本のみ。『FACE』[☆☆☆1/2]はツァイ・ミンリャン版『アメリカの夜』。ヌーヴェル・ヴァーグ50年を総括したとさえ言える力作。一方、東京を舞台にした、イザベル・コイシェの『THE MAP OF …

カンヌ映画日誌2009・第10日

映画祭も終盤を迎え、上映本数も減ったので何を観るかで頭を悩ませる必要は無くなる。 11時よりある視点のオランダ映画『THE SILENT ARMY』(Jean Van De Velde)[星無し]。これが笑ってしまうぐらいひどい作品で、今年のワースト1が決定。 続いてコンペのギ…

カンヌ映画日誌2009・第9日

朝9時よりグザビエ・ジャノリのコンペ作品『IN THE BIGINNING』[☆☆☆]。刑務所を出たばかりの詐欺師が不況にあえぐ町で道路建設を成し遂げるという実話を、骨太の物語映画に仕上げたジャノリの力量はなかなかのもの。 続く、ある視点のロシア映画『CONTE DE L…

カンヌ映画日誌2009・第8日

マーケットも終盤に入り、上映数が減ってきている。 一本目はマーケットに出ているオリヴェイラの新作『ECCENTRICITIES OF BLOND HAIR GIRL』[☆☆☆1/2]。昨年100歳の記念イヴェントをカンヌで行ったのが記憶に新しい、現代映画の奇跡と言える存在。この新作も…

カンヌ映画日誌2009・第7日

10時よりある視点に出ているギリシャ映画『DOGTOOTH』[☆☆]。子供たちを家の外には出さずに生活する家族の物語は、状況設定としては面白いのだが、それが活かしきれずにちぐはぐな印象。 12時からはリュミエールでマルコ・ベロッキオのコンペ作『VINCERE』[☆☆…

カンヌ映画日誌2009・第6日

午前9時半より、ある視点に出ているフランス映画『FATHER OF MY CHILDREN』(Mia Hansen-love)[☆1/2]を観る。ミア・ハンセン=ラヴは、アサイヤスの傑作『八月の終わり、九月の初め』に出演後、「カイエ」の批評家となり、二年前に『All is forgiven』で長…

カンヌ映画日誌2009・第5日

8時半からの批評家週間『LOST PERSONS AREA』を半分ほど観てから、マーケット上映の『PLEASE PLEASE ME』(エマニュエル・ムレ)[☆☆☆]へ。今日、ルビッチとキートンを同時にやれる唯一の監督。続いて、ある視点に出ているルーマニア映画『POLITIST ADJECTIV…

カンヌ映画日誌2009・第4日

昨日とは打って変わって、今日は快晴。雲一つ無い好天なのは良いのだが、最初の週末を迎え、カンヌは街中凄い人出。劇場から劇場への移動も一苦労。一本目は朝9時からパレ・ステファニーで監督週間の『Like You Know It All』(ホン・サンス)[☆☆☆]。映画監…

カンヌ映画日誌2009・第3日

昨日のコッポラの余韻が冷めやらないこともあり、今日も少し遅めに始動して、先ずは11時半からパク・チャヌクのコンペ作品『Thirst』を観にリュミエール大劇場へ[☆1/2]。吸血鬼になった神父が主人公のコメディーでありホラーであり、フィルム・ノワールでも…

カンヌ映画日誌2009・第2日

午前中はマーケットに観たい作品が見当たらず、12時のコンペ『スプリング・フィーヴァー』(ロウ・イエ)[☆☆1/2]より始動。交錯する人間模様をじっくりと描き出す様はなかなか見事。 少し時間が空いたので、脇役がやたらと豪華なブルーノ・ポダリデスの新作…

カンヌ映画日誌2009・第1日

いよいよ今日から映画祭が開幕。 一年が経つのは早いよなあと思いつつ、一年ぶりにカンヌの街を歩いていると、寿司屋(絶対に日本人経営ではないであろう)が更に増えていたり、ホテルの近くに深夜12時まで開いているスーパーができていたりして、それなりに…

第62回カンヌ映画祭

ご無沙汰してます。カンヌ映画祭に合わせて、久々の更新です。 明日の映画祭開幕に合わせて、午後にカンヌ入りします。今年のコンペも強力ラインナップですね。 * * * * 【コンペティション部門】 ・『Broken Embraces』(ペドロ・アルモドバル:スペイン) …

第61回カンヌ映画祭

カンヌ映画祭が終わって二週間が経ちましたが、今更ながら今年のご報告。 今回は12日間で55本を観ることが出来ました。ただし、この本数には途中退場8本を含みます。カンヌ以外で映画を途中で出ることは殆ど有り得ないのですが、数限りない作品が平行して上…

2007年ベスト10

遅れ馳せながら、あけましておめでとうございます。 2007年のベスト10を選んでみましたが、どれも秀作揃いで、結構当たり年だったという気がします。 1.エリック・ロメール『Les Amours d'Astree et de Celadon』 2.ニコラ・フィリベール『かつて、ノルマン…

カンヌ映画日誌(番外編)

カンヌで上映されたフィルムの多くは、その直後にパリでも観ることができる。 幾つかのコンペ作品は映画祭中に一般公開されるし、ある視点、監督週間、批評家週間は、そのまま再上映される。そこで、パリに戻ってから観たものをご紹介。 ・デヴィッド・フィ…

カンヌ映画日誌(12)

映画祭最終日は、授賞式とクロージング作品の他に、朝からコンペ作品がまとめて上映される。見逃したものの内、当分フランス公開されないものを二本観ることに。上映後はあちこちで解体作業が行われているクロワゼット通りをゆっくりと歩きつつ、祭りの終わ…

カンヌ映画日誌(11)

いよいよ映画祭の公式上映最終日。パレの中も閑散としている。上映数も数えるほどで、もう何を観るかで頭を悩ませる必要も無し。明日にはアパートを引き払わなければならないので、午後は荷造りと片付けに追われる。 ・エミール・クストリッツァ『Promise Me…

カンヌ映画日誌(10)

カンヌでは毎日、その日のスクリーニング・プログラムが配られているのだが、今日からの残り三日間のプログラムは一枚にまとめられている。それだけスクリーニングの数が少なくなったということなのだ。マーケットは今日で終了。監督週間も批評家週間も、今…

カンヌ映画日誌(9)

映画祭もいよいよ終盤。パレ内のマーケットのブースも人が少なくなってきた。この日のカンヌはいつも以上に気温が上昇。炎天下で一時間近く『Smiley Face』を観る為に行列に並んで疲労困憊。午前中にどこかで携帯電話を紛失してしまい、新たに購入するのに時…

カンヌ映画日誌(8)

・ファティ・アキン『The Edge of Heaven』(2007)[☆☆☆1/2](コンペティション・脚本賞) パルムドールとの呼び声も高かったのが、このフィルム。アキンのストーリー・テラーとしての才能が遺憾無く発揮されている。ドイツとトルコを舞台に、幾つもの人間模様…