プロコフィエフ『三つのオレンジへの恋』@オペラ・バスチーユ
ギルバート・デフロ(演出)
シルヴァン・カンブルラン(指揮)
パリ・オペラ座管弦楽団
フィリップ・ルイヨン(クラブの王)
チャールズ・ワークマン(王子)
ハンナ・エステール・ミヌティッロ(クラリーチェ)
ローム・アントワーヌ(レアンドル)
バリー・バンクス(トゥルファルディーノ)
ホセ・ヴァン・ダム(チェリオ
ベアトリス・ユリア=モンゾン(ファタ・モルガナ)
新演出の二日目ということもあってか、今夜のバスチーユは20世紀オペラには珍しく大入り満員。デフロの演出は舞台上に円形のサーカス小屋風の装置を作り、そこでコメディア・デラルテ風の道化劇あるいは見世物小屋風のスペクタクルを見せるというアイディア。合唱の扱いはギリシャ悲劇のコロスを思わせるし、歌舞伎やミュージック・ホール、パントマイム劇の要素も見受けられる。そうしたバラエティに富んだ舞台は、このオペラの持つ雑多な不条理性を巧みに表現していた。歌手陣では、チャールズ・ワークマンによる王子の表現力と、ユリア=モンゾンによる魔法使いの貫禄が特筆に値する。カンブルラン指揮のオペラ管は歯切れの良い好演。