transparence2005-12-22

アイブラハム・ポロンスキー『苦い報酬』(1948)[☆☆☆☆] @ポンピドゥー・センター
ツァイ・ミンリャン『浮気雲』(2005)[☆☆☆] @MK2 Beaubourg
ポンピドゥー・センターではマーティン・スコセッシ特集。彼の全作品上映だけではなく、スコセッシのセレクションによる映画史上の傑作も上映されていて、ある意味こちらの方が面白そう。ポロンスキーの処女作(赤狩りで抹殺されて、第二作目を撮るのは21年後だけれど)もその内の一本。非常に美しいプリントで、これぞフィルム・ノワールという映像を満喫。
それから斜向かいのMK2にてツァイ・ミンリャンの新作。『ふたつの時、ふたりの時間』の二人が渇水台北で再会する。時計売りだったシャオカン(リー・カンション)はAV男優になっている。作品としては『HOLE』に近い部分も多いが、より官能的に都会人の不毛を描いており、もはやツァイ・ミンリャンはこの「ジャンル」ではアントニオーニと双璧でしょう。