パリ・オペラ座管弦楽団 @オペラ・バスチーユ
エサ=ペッカ・サロネン(指揮)
マティアス・ゲルネ(バリトン)
クリスティーネ・シェーファー(ソプラノ)
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マーラー/歌曲「少年の魔法の角笛」より
アンリ・デュティーユ/「時の影 The Shadow of Time」
ラヴェル/「ラ・ヴァルス」
バスチーユでのオペラ管の演奏会はお客の入りがいまいちのことが多いように思うのだが、サロネンを迎えたこの日は八割程度の入り。前半のマーラーでは、ゲルネとシェーファーが迫力には欠けるが、柔らかな美声を聴かせていた。1997年に小澤&ボストン響の委嘱で作曲された「時の影」は、デュティーユらしい神秘的かつ叙情的な響き。サロネンはオペラ管から透明感のある音色を引き出していた。今年90歳になる作曲家も客席に姿を見せ、大喝采を浴びていた。メインの「ラ・ヴァルス」のリズム感と推進力は素晴らしかったが、少々健康的に過ぎて、ラヴェルの毒のようなものが欠けていたのが惜しまれる。