transparence2006-05-31

ドゥニ・デルクール『La Tourneuse de pages(譜めくり)』(2006)[☆1/2] @Reflet Medicis
マルコ・ベロッキオ『Il regista di matrimoni(結婚演出家)』(2006)[☆☆1/2] @Reflet Medicis
リサンドロ・アロンソFantasma』(2006)[☆☆1/2] @Cinema des Cineastes
カンヌでの上映作品より三本。『譜めくり』(「ある視点」部門)はカトリーヌ・フロ(『家族の気分』『奥様は名探偵』など多数)とデボラ・フランソワ(『ある子供』)の競演は見応えがあるものの、脚本・演出ともに「良く出来たテレ・フィルム」の域を出ず。
同じく「ある視点」のベロッキオの新作は、シチリアに逃避行にやってきた映画監督が奇妙な迷宮劇に巻き込まれる。
各国の映画祭で注目を集めるアルゼンチンの若手監督アロンソの新作は(「監督週間」)、前作『Los Muertos』(2004)で主人公を演じた素人俳優がブエノスアイレスでの映画のプレミア上映を観に来るという一応の設定はあるものの、存在感が皆無の人物たちが映画館を彷徨い歩くという奇妙なフィルム。何も起こらないのに画面からは恐怖映画としか思えない不気味さが醸し出される。これに匹敵するのはツァイ・ミンリャン『不散(Goodbye,Dragon Inn)』のみだろう。