フランス国立管弦楽団サン・ドニ大聖堂
ラジオ・フランス合唱団
リッカルド・ムーティ(指揮)
ルート・ツィーザク(ソプラノ)、ヘルベルト・リッパート(テノール)、イルデブランド・ダルガンジェロ(バス)
ケルビーニ/ミサ・ソレムニス
サン・ドニ音楽祭に足を運ぶのは久しぶり。夕方の混雑した地下鉄13号線に乗って、わざわざサン・ドニまで行くのは面倒だったが、ムーティが国立管を振るとあっては聴き逃せない。座席を確保して(安いカテゴリーは自由席)から、一度外に出てカフェでエスプレッソを立ち飲みし、大聖堂内にはトイレが無いので用も足す。今年の五月のパリは天候に恵まれないのだが、この日も小雨が降り肌寒い。まして教会の中は底冷えがして、とても初夏の音楽祭とは思ええない。
演奏の方は躍動感に溢れた素晴らしいもの。教会特有の過度の反響にも関わらず、メリハリの利いた透明感のある演奏だった。初めて聴く一時間半のミサ曲も、全く退屈すること無し。演奏後に一番の喝采を浴びていたのはもちろんムーティー。次回国立管の指揮台に立つのが一年近くも先というのがとても残念だ。