フランス国立管弦楽団サン・ドニ大聖堂
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)
クリスティーネ・シェーファー(ソプラノ)
マリー=ニコル・ルミュー(メゾ・ソプラノ)
オルフェオン・ドノスティアラ合唱団
ベルク/アルテンベルク歌曲集
マーラー交響曲第二番「復活」
先週に続いてサン・ドニ音楽祭へ。数日前からようやく初夏の陽気になったのが嬉しい。大聖堂のバラ窓のステンドグラスも今日は外光に映えて美しく見える。
ヤルヴィは国立管あるいは弟分の放送フィルと数々の名演を聴かせてきたが、この日の「復活」もその例に洩れないもの。大聖堂の太い柱のせいで舞台への視界が遮られてしまうので、客席にはあちこちにモニターテレビが置かれていて、指揮者やソリストの姿が映し出されているのだが、それで見るヤルヴィの指揮ぶりは確信に満ちた的確なものだ。時にユーモアを交えつつ指示を与えていく様子からは、このオケとの相性の良さが伺えた。客席の後方にも奏者を配し、大聖堂独特の残響の大きさも計算に入れつつダイナミックな音楽を作り上げていた。国立管も安定したパワーを誇る管楽器群を中心に、壮大なマーラーを聴かせていた。シェ−ファーは相変わらずの透明感のある歌声。ルミューはむしろアルトに近いような深みのある歌唱。アバドルツェルン祝祭管とも「復活」で共演しているオルフェオン・ドノスティアラ合唱団の豊かな歌唱も特筆すべき。