transparence2006-01-03

ジュゼッペ・デ・サンティス『にがい米』(1948)[☆☆☆1/2] @Reflet Medicis
シルヴァーナ・マンガーノのパワフルな官能を満喫する。北イタリアは昔は貧しかったのね。ちなみに私が毎日食べているのはイタリア米です。
実は今日は13区のゴーモンで『キングコング』を観ようと思っていたのです。イタリー広場にある劇場はパリ最大のスクリーンを誇っていて、5区に住んでいた頃は家から近いこともあってしばしば通ったものでした。ところが、観客数の低下を理由に今日で閉館する事になったのです。そこで最終日に大スクリーンで『キングコング』を観ようと思ったのですが、劇場に行ってみると既に鉄格子が降りていて「今日の上映は中止」の張り紙が。というのは、映画関係者や政治家を巻き込んだ反対運動が起こっていて、夕方にデモ集会が予定されていたので、保安上の理由から中止するとのこと。
確かにベルシーのUGC国立図書館傍のMK2という巨大シネコンに押され気味であったとはいえ、こういうスペクタクルを満喫できる劇場が消えていくのは残念だ。個人的に青春時代の一時期を建替え前の日比谷スカラ座(座席数1200)で過ごしたせいか、この類の映画館には思い入れが強いのです。ちなみに、このゴーモンが入っている建物は丹下健三設計で、安藤忠雄ピノー美術館が頓挫してしまったこともあり、パリでは唯一の日本人設計による巨大建築と言えるでしょう。