transparence2006-01-18

アン・リーブロークバック・マウンテン』(2005)[☆☆☆] @Saint-Germain-des-pres
ヴェネチアのグランプリに留まらず、今や賞レースの最右翼となったアン・リーの新作。これぞアメリカ映画と思わせる風景の見事さには感嘆するものの、それを撮りうるのがヴェンダース(だからと言って『Don't come knocking』の邦題が「アメリカ,家族のいる風景」だというのもどうかと思うが・・・)であったり、このアン・リーであるという事実には、ハリウッドとは元来そういうものだということを含めて、色々と考えさせられる。『ブロークバック・マウンテン』は、ヴァン・サントの傑作『ジェリー』のような圧倒的な静謐さや狂気には到達していないものの、味わい深いリリシズムがあって、ホモセクシャル云々といった題材の興味には関わらない美しさがある。