transparence2006-04-14

ミュンヘン駅傍のホテルでしっかりと朝食を取ってから(ドイツ・オーストリアはホテルの朝食が充実しているのが嬉しい)、列車でザルツブルグへ。イースターのバカンス中のせいか、車内はかなり混雑していた。2時間弱でザルツブルグ到着。オーストリア・アルプスは、まだ雪を被っている。
駅前のホテル・ルネッサンスにチェック・イン。以前にも泊まったことがあるが、ベットの交換などをしたらしく真新しくなっている。部屋はとても快適で、これで一万円以下は安い。音楽祭会場までは少し遠いが、中央駅からは旧市街行きのバスが沢山出ているので不便は無い。
ホテルの向かいのスーパーでミネラル・ウォーターなどを買い込み(ヴォルヴィックはフランスの倍の値段)、夜のコンサートに備えて一休みしていると、TV5(フランス語の国際放送)でゴダール『中国女』をやっている。フランス語字幕付きなので判りやすい。思わず見入ってしまう。ヨーロッパ随一のハイソな音楽祭を前に『中国女』を見るというのも乙なものだ。

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ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ザルツブルグ祝祭大劇場
サイモン・ラトル(指揮)
スーザン・グリットン(ソプラノ)、マイケル・チャンス(男声アルト)、マーク・パドモアテノール)、トビー・スペンス(テノール)、トーマス・クヴァストホフバリトン)、ベルリン放送合唱団
バッハ/「ヨハネ受難曲
会場は観光客らしき人の姿も少なく、夏以上にお金持ちの社交場の雰囲気が漂う。座席は最後列ながら中央。祝祭大劇場はしっかりと響くホールなので、音響的に問題は無し。学生やヤング・パトロン向けとされる二階席後方だが、周囲を見回してもそんな様子は無い。安いチケットを買って転売でもしたのだろうか?
曲目は聖金曜日に相応しく「ヨハネ受難曲」。演奏はさすがに密度の濃いもので、ベルリン・フィルの個々の奏者の名人芸も満喫。合唱・独唱も素晴らしく、二時間強を一気に演奏しても退屈することは無い。取り分けトーマス・クヴァストホフは、大劇場をその美声で満たして秀逸。