transparence2006-05-24

ソフィア・コッポラマリー・アントワネット』(2006)[☆☆1/2] @Gaumont Parnasse
マリー・アントワネットを「悲劇の王妃」としてではなく、異国の地で(←『ロスト・イン・トランスレーション』)少女から大人への変貌(←『ヴァージン・スーサイズ』)を遂げさせられる女性という視点で描いたのには好感が持てるし、コスチューム・プレイに有りがちな堅苦しさは皆無である。ヴェルサイユ宮殿オペラ座で撮影した映像の派手さと、ソフィア・コッポラの繊細な演出にキルスティン・ダンストの新鮮味の溢れる演技とが巧みに調和しているのも評価できる。だが、その一方で実在の王妃の生涯を描くという「足かせ」のせいか、一人の女性の成長記としてはダイナミズムに欠け、浅薄な印象しか持てなかった。
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Jean-Marc Vallee『C.R.A.Z.Y.』(2005)[☆☆] @L'Arlequin