ベートーヴェンフィデリオ」(演奏会形式) @シャトレ座
チョン・ミョンフン(指揮)フランス放送フィルハーモニー
カリタ・マッティラ(レオノーレ)
ベン・ヘップナー(フロレスタン)
マッティ・サルミネン(ロッコ)
ユハ・ウーシタロ(ドン・ピツァロ)
ヘンリエッテ・ボンデ=ハンセン(マルツェリーネ)
パヴォル・ブレスリク(ヤキーノ)
ジャン=ピエール・ブロスマンのシャトレ座総監督としての最後のシーズンの終わりを飾るのが、二つのコンサート形式でのオペラ上演。そのうちの一つがこの豪華歌手陣による「フィデリオ」。第一幕、マッティラ、サルミネン、ウーシタロというフィンランド人のオペラ歌手ベスト3が顔を揃えた歌手陣がやはり素晴らしい。第二幕に入るとヘップナーが加わり、舞台は一層引き締まった。中でも素晴らしかったのはマッティラで、オケを貫く強靭な歌声は他を圧倒していた。
フィデリオ」の舞台に接したことは無いのだが、ベートーヴェンがオペラ向きの作曲家ではないことは今更言うまでも無いし、ドラマ性の弱さも否めないだけに、コンサート形式で壮麗な音楽に浸る方が適しているのかもしれないと感じた。ミュンフン指揮の放送フィルは、調子付くと活きの良い演奏を披露するものの、もう少し緻密さが欲しい気がした。