ドニゼッティ愛の妙薬」@オペラ・バスチーユ
ローラン・ペリー(演出)
エドワード・ガードナー(指揮)パリ・オペラ座管弦楽団&合唱団
Ekaterina Syurina(アディーナ)
Tomislav Muzek(ネモリーノ)
マリウス・キーチェン(ベルコーレ)
アルベルト・リナルディ(ドゥルカマーラ)
ローラン・ペリー演出による「愛の妙薬」の新演出を観にバスチーユへ。既に6月11日に観ているのと同じプロダクションだが、7月は歌手陣が異なっていて、取り分けドゥルカマーラをルッジェーロ・ライモンディ が歌うというのでチケットを購入・・・したもののライモンディは「勘違い」によってキャンセル(詳しくは、ライモンディのことならこちら「keyakiのメモ、メモ・・・」を参照)。代役はライモンディとほぼ同世代のリナルディに。
ペリーの楽しさに満ちた演出については6月11日の日記を読んでいただくとして、SyurinaとMuzekという若手二人のコンビは溌剌としていてこの演出には打ってつけ。特にシウリナの軽快な歌声は素晴らしく、今後の活躍が期待できる。マリウス・キーチェンも豊かな声量で観客を湧かせていた。残念だったのがリナルディ。格調高い歌声がこの役柄に合っていないという難点以上に、早いパッセージが歌いきれていない部分が散見されたり、他の歌手に力負けしていることが多かったりとイマイチの出来。カーテンコールでも唯一ブーイングを浴びていた。6月にこの役を歌ったアンブロージョ・マエストリが、その体格を活かしながらペテン師に相応しいコミカルな演技と見事な歌唱を見せていただけに、一層リナルディの欠点が目立ってしまった。やっぱりライモンディで聴きたかった。
ガードナーの指揮は回数を重ねたせいか、前回よりもこなれた感じ。新演出にも関わらず客席は七割程度の入り。素晴らしいプロダクションだけに勿体無い。