佐渡裕&パリ管

transparence2006-10-04

国立パリ管弦楽団 @サル・プレイエル
佐渡裕(指揮)
モーツァルト交響曲第33番
デュティユー/「響き、間隙、動きあるいは星月夜(Timbres,Espace,Mouvement ou "La Nuit etoilee")」
ショスタコーヴィチ交響曲第5番
フィガロ・スコープによれば「小澤征爾以来、最もフランス人に愛された日本人指揮者になりそう」なのが佐渡裕だ。首席指揮者であるラムルー管はもちろん、パリ管、フランス国立管、放送フィルといったトップ・オケに定期的に客演していることからもその人気ぶりは伺える。この日のプログラムはメモリアル・イヤーの作曲家をならべたもの。
モーツァルトは細やかな部分まで丁寧に表現しようという意図が感じられたが、その分リズムの流れが阻害されていた気もした。デュティユーは、ゴッホの「星月夜」にインスピレーションを受けて作曲されたもので、流麗で神秘的な響きを満喫できた。デュティユーはこの日も客席に元気な姿を見せていた。メインのショスタコは、良くも悪くもこの指揮者の個性を表したもの。ダイナミックな昂揚感が観客の熱い反応を引き起こしたものの、一方でどこか大味な演奏に終始したように思えた。