2006年・映画ベスト10

transparence2007-01-11

1.『ボルベール-帰郷-』(ペドロ・アルモドバル)
2.『Coeurs』(アラン・レネ)
3.『L'Ivresse du pouvoir』(クロード・シャブロル)
4.『フランドル』(ブリュノ・デュモン)
5.『太陽』(アレクサンドル・ソクーロフ)
6.『チェンジ・オブ・アドレス』(エマニュエル・ムレ)
7.『ブロークバック・マウンテン』(アン・リー)
8.『チャタレイ夫人の恋人』(パスカル・フェラン)
9.『トランスアメリカ』(ダンカン・タッカー)
10.『カポーティ』(ベネット・ミラー)

2006年のベスト10を選んでみたものの、今一つ納得がいかない。それは、昨年は見逃した新作映画が多かったということと共に、2004年のデプレシャン、2005年のガレルのような決定的な傑作が無かったということも理由に挙げられるだろう。アルモドバルの新作は、彼のここ数年来の総決算であると思うが、必ずしも彼の最高傑作ではないし、デュモンやソクーロフもまた、彼らのこれまでのスタイルを突き抜けるような驚きには欠いていた。一方で、レネとシャブロルの好調ぶりには目を見張った。「ヌーヴェル・ヴァーグは今でも新鮮」といった常套句とも無縁な、彼らの進化/深化には拍手を送りたい。また、エマニュエル・ムレの存在は、そうしたフランス映画の良き伝統の継承を感じさせると共に、そうした重責とは無縁に思える軽やかさも持ち合わせており、なかなか頼もしい。
以下に、各誌の編集部によるベスト10も併記しておく。

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カイエ・デュ・シネマ」誌
1.『Coeurs』(アラン・レネ)
1.『太陽』(アレクサンドル・ソクーロフ)
3.『グエムル -漢江の怪物-』(ボン・ジュノ)
4.『チャタレイ夫人の恋人』(パスカル・フェラン)
5.『パーフェクト・カップル』(諏訪敦彦)
6.『あの彼らの出会い』(ストローブ=ユイレ)
6.『レディ・イン・ザ・ウォーター』(M・ナイト・シャマラン)
6.『カポーティ』(ベネット・ミラー)
9.『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ)
10.『父親たちの星条旗』(クリント・イーストウッド)
10.『ニュー・ワールド』(テレンス・マリック)

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「Inrockuptibles」誌
1.『Dans Paris』(クリストフ・オノレ)
2.『グエムル -漢江の怪物-』(ボン・ジュノ)
3.『チャタレイ夫人の恋人』(パスカル・フェラン)
4.『Wassup Rockers』(ラリー・クラーク
5.『あの彼らの出会い』(ストローブ=ユイレ)
6.『ニュー・ワールド』(テレンス・マリック)
7.『Odete』(Joao Pedro Rodrigues)
8.『La Mort de Dante Lazarescu』(Cristi Puiu)
9.『ブラックブック』(ポール・ヴァーホーヴェン)
10.『ブラック・ダリア』(ブライアン・デ・パルマ)
10.『マイアミ・バイス』(マイケル・マン)

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「テレラマ」誌
1.『ボルベール-帰郷-』(ペドロ・アルモドバル)
2.『ブロークバック・マウンテン』(アン・リー)
3.『L'Ivresse du pouvoir』(クロード・シャブロル)
4.『Il Caimano(鰐)』(ナンニ・モレッティ)
5.『麦の穂をゆらす風』(ケン・ローチ)
6.『La Mort de Dante Lazarescu』(Cristi Puiu)
7.『Dans Paris』(クリストフ・オノレ)
8.『リトル・ミス・サンシャイン』(ジョナサン・デイトンヴァレリー・ファリス)
9.『Le Pressentiment』(ジャン=ピエール・ダルッサン)
10.『ウォーク・ザ・ライン』(ジェームズ・マンゴールド)