カンヌ映画日誌(9)

transparence2007-05-24

映画祭もいよいよ終盤。パレ内のマーケットのブースも人が少なくなってきた。この日のカンヌはいつも以上に気温が上昇。炎天下で一時間近く『Smiley Face』を観る為に行列に並んで疲労困憊。午前中にどこかで携帯電話を紛失してしまい、新たに購入するのに時間が掛かったりで、映画は三本のみ。明日で東京からのスタッフがカンヌを離れるので、夜は打ち上げを兼ねて旧市街で食事会。祭りの終わりを感じ始める。
アレクサンドル・ソクーロフ『Alexandra』(2007)[☆☆1/2](コンペティション
一人の老婆(ソプラノ歌手でロストロポーヴィッチ未亡人であるガリーナ・ヴィシネフスカヤが演じる)がチェチェンのロシア軍駐屯地に孫を訪ねる。淡い色彩の映像によって、彼女の眼から見た戦地の日常が描かれる。
ロイ・アンダーソン『You, The Living』(2007)[☆☆](ある視点)
散歩する惑星』(2000年審査員賞)のアンダーソンの新作はモンティパイソン張りのブラック・ユーモアに溢れたスケッチの連続。
グレッグ・アラキ『Smiley Face』(2007)[☆☆](監督週間)
傑作『ミステリアス・スキン』のグレッグ・アラキの新作は、売れない女優の悪夢の一日を描いた軽いタッチのコメディー。