カンヌ映画日誌2009・第2日

午前中はマーケットに観たい作品が見当たらず、12時のコンペ『スプリング・フィーヴァー』(ロウ・イエ)[☆☆1/2]より始動。交錯する人間模様をじっくりと描き出す様はなかなか見事。
少し時間が空いたので、脇役がやたらと豪華なブルーノ・ポダリデスの新作(『Park Benches』)を40分ほど覗いてから、再びリュミエール大劇場にてコンペの『Fish Tank』(アンドレア・アーノルド)[☆☆]。スタンダード画面で、殊更にドラマチックに盛り上げようとしないスタイルが、逆に少女の心理に切り込んでいて好感は持てるものの、124分を持たせるには少々力不足か。そもそも、この類のフィルムは『ロゼッタ』を前にすると、全てお粗末に思えてしまう嫌いがある。
その後はマーケットのルーマニア映画を1時間ほどで途中退場し、ドビュッシー劇場にてある視点のイラン映画『Nobody knows about Persan Cats』[☆☆]。そして最後に監督週間のオープニング作品『Tetro』(コッポラ)[☆☆☆1/2]。巨匠の風格と言える格調高い白黒画面を堪能しつつ、その一方で今尚実験精神を失わない姿勢には驚かされる。
上映終了は、深夜1時を過ぎ。ろくに食事をする時間も無く、さすがに少々疲れる。