カンヌ映画日誌2009・第8日

マーケットも終盤に入り、上映数が減ってきている。
一本目はマーケットに出ているオリヴェイラの新作『ECCENTRICITIES OF BLOND HAIR GIRL』[☆☆☆1/2]。昨年100歳の記念イヴェントをカンヌで行ったのが記憶に新しい、現代映画の奇跡と言える存在。この新作も100歳にして驚くべき軽やかさと洗練を示している。
続いてある視点のイスラエル映画『EYES WIDE OPEN』(Haim Tabakman)[☆]。敬虔なユダヤ教徒の肉屋が青年と恋に落ちるという物語が、何の驚きも無く描かれる凡作。
同じくある視点の『NYMPH』(Pen-Ek Ratanaruang)[☆☆☆1/2]は、森で起こる奇妙な出来事を滑らかなキャメラで描いていく秀作。森の妖気や闇を描き出す力量はなかなかのもの。
夜は監督週間の『THE WOLBERG FAMILY』(Axelle Ropert)[☆]。脚本家出身の監督が撮った、台詞のみに頼った、映画的表現が皆無の凡作。