カンヌ映画日誌(7)

カンヌ滞在も一週間が過ぎ、少々疲れ気味。この日は監督週間の『La France』が満員で入れなかったこともあり、控えめに四本のみ。そのお陰で久々にまともな夕食を取ることができた。それにしても、カルロス・レイガダスとハーモニー・コリンの新作を続けて観…

カンヌ映画日誌(6)

昨日とは打って変わって発見の少ない一日。ただ、個人的なこの日の出来事は、『Paranoid Park』で初めてリュミエール劇場の赤絨毯を踏んだこと。リュミエールでの上映には基本的には招待状が必要で、手持ちのポイントに応じてネットやパレ内の端末から予約し…

カンヌ映画日誌(5)

この日も満員で入れない上映が続出。そんな訳で、観られたのは四本のみ。けれども、どれも粒揃いで発見の連続で、とても充実した一日だった。 ・Jan Bonny『Gegenuber(Counterparts)』(2007)[☆☆](監督週間) 妻からドメスティック・バイオレンスを受ける警…

カンヌ映画日誌(4)

週末を迎えてクロワゼット通りの人出が半端ではない。上映を観る人の数も増えたようで、満員で入れないというケースが続出して予定を狂わされる。それでも何とか夕方までに5本のノルマをこなす。夜は『大日本人』の舞台挨拶を覗いた後で、某TV局のパーティー…

カンヌ映画日誌(3)

この日からは毎日ほぼ5本の上映に足を運ぶ日々。特に監督週間を集中的に観ることにする。朝の初回が9時からで、最終回の上映が終わるのは必ず0時を過ぎる。ゆっくり食事をする間もなく、映画を観終わると、次の回の列に並ぶという繰り返し。映画を観るには美…

カンヌ映画日誌(2)

実質的には今日が映画祭初日。最初に向かったのは監督週間の会場であるヒルトン。平行部門である監督週間と批評家週間の上映は、メイン会場のパレではなく、カンヌ市内のホールで行われる。これらの上映には一般客も入場可能なので早めに並んでおく必要があ…

カンヌ映画日誌(1)

いよいよカンヌ映画祭初日。この日の公式上映は夜のウォン・カーウェイ『My Blueberry Nights』のみだが、マーケットの方では早朝より多くの上映が行われている。午前中に滞在先のアパートの入居手続き、映画祭マーケットのバッジ受け取りや打ち合わせをこな…

カンヌ映画祭!

今週からカンヌに出かけることになりました。もちろん目的は映画祭です。初カンヌです。沢山映画を観てきます。 なんとか現地から「カンヌ映画日誌」を更新したいと思っているのですが、泊まる場所には電話回線も無いらしい・・・。ま、どうなることやら。 一応…

2007年5月の観た&聴いた

《映画》 ・Emmanuelle Cuau『Tres bien, merci』(2007)[☆☆]@MK2 Odeon ・イム・サンス『古い庭園』(2007)[☆☆1/2]@Racine Odeon ・ジャ・ジャンクー『長江哀歌(STILL LIFE)』(2006)[☆☆☆1/2]@Saint-germain-des-pres 今月前半のベストは文句無しにジャ・ジ…

2007年4月の観た&聴いた

《映画》 ・ジャック・リヴェット『Ne touchez pas la hache』(2006)[☆☆☆1/2]@Gaumont Opera リヴェットの新作は三度目のバルザック作品の映画化。原作の一節を取り入れながら、ある男女の駆け引きにおける高貴さと、そこに潜む野性味とが、時に繊細に、時…

2007年3月の観た&聴いた

《映画》 ・ルイス・ブニュエル『哀しみのトリスターナ』(1970)[☆☆☆]@シネマテーク カトリーヌ・ドヌーヴ特集@シネマテークより。上映後のティーチ・インに登場したドヌーヴは、大女優の貫禄を見事に漂わせ、ファンの可笑しな質問も余裕でかわしていた。「…

2007年2月の観た&聴いた

《映画》 ・クリント・イーストウッド『硫黄島からの手紙』(2006)[☆☆1/2]@Gaumont Goblins 《コンサート》 ・ネーメ・ヤルヴィ(指揮)=フランス国立管弦楽団(2月1日@シャンゼリゼ劇場) ・クリストフ・エッシェンバッハ(指揮)=国立パリ管弦楽団(2月15日@…

2007年1月の観た&聴いた

《映画》 ・ボン・ジュノ『グエムル -漢江の怪物-』(2006)[☆☆1/2]@Max Linder Panorama ・ヌリ・ビルゲ・ジェイラン 『Iklimer(季候)』(2006)[☆☆☆1/2]@Le Balzac ・アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ『バベル』(2006)[1/2]@MK2 Hautefeuille ・コル…

2006年・映画ベスト10

1.『ボルベール-帰郷-』(ペドロ・アルモドバル) 2.『Coeurs』(アラン・レネ) 3.『L'Ivresse du pouvoir』(クロード・シャブロル) 4.『フランドル』(ブリュノ・デュモン) 5.『太陽』(アレクサンドル・ソクーロフ) 6.『チェンジ・オブ・アドレス』(エマニュエ…

2006年12月の観た&聴いた

遅れ馳せながら、明けましておめでとうございます。お正月を日本で過ごして、再びパリに戻ってきました。一週間ほどの短い帰国でしたが、お正月はやっぱり日本が良いですね。 今冬のヨーロッパは記録的な暖冬なのですが、パリもその例に洩れず、真冬とは思え…

2006年11月の観た&聴いた

久々の更新になりました。11月のパリは異常なほどの暖かさで過ごしやすかったのですが、12月に入って街のあちこちでクリスマスのイルミネーションは始まるのに合わせるように、徐々に寒くなってきました。 ここ最近はとても忙しくしており(ゼミ発表やアルバ…

ロイヤル・バレエ団「眠れる森の美女」@ロイヤル・オペラ(ロンドン) オーロラ姫:Lauren Cuthbertson(ローレン・カスバートソン) デジレ王子:Federico Bonelli(フェデリコ・ボネッリ) イギリス・バレエ界の期待の星、カスバートソンは技術的に完璧とは言…

プッチーニ「ラ・ボエーム」@ロイヤル・オペラ(ロンドン) 指揮: Philippe Jordan(フィリップ・ジョルダン) 演出: John Copley(ジョン・コープレイ) ロドルフォ: Marcelo Alvarez(マルセロ・アルバレス) ミミ: Katie Van Kooten(ケイティ・ヴァン・…

国立パリ管弦楽団 @サル・プレイエル クリストフ・エッシェンバッハ(指揮&ピアノ) モーツァルト/「フィガロの結婚」序曲 モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番 ラヴェル/「マ・メール・ロワ」 ルーセル/「バッカスとアリアーヌ」第二組曲 ラヴェル/「ボ…

バレンボイムのマーラー

ベルリン州立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ベルリン)@シャトレ座 ダニエル・バレンボイム(指揮) ラン・ラン(ピアノ) ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 マーラー/交響曲第5番 二夜続けて聴いた結果、バレンボイムのマーラーは深遠な美…

ベルリン州立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ベルリン)@シャトレ座 ダニエル・バレンボイム(指揮&ピアノ) モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番 マーラー/交響曲第7番「夜の歌」 シャトレ座では、バレンボイムが手兵のシュターツカペレ・ベルリンを率…

The Queen

スティーヴン・フリアーズ『ザ・クイーン The Queen』(2006)[☆☆1/2]@La Pagode 『マイ・ビューティフル・ランドレッド』のフリアーズの新作は、ダイアナ妃の事故死をめぐるイギリス王室と政府の混乱ぶりを描く。記憶に生々しい出来事であり、エリザベス女王…

「トロイの人々」@バスチーユ

ベルリオーズ「トロイの人々(Les Troyens)」@オペラ・バスチーユ Herbert Wernicke ヘルベルト・ヴェルニッケ(原演出) Sylvain Cambreling シルヴァン・カンブルラン(指揮) パリ・オペラ座管弦楽団&合唱団 Deborah Polaski デボラ・ポラスキ(カサンドラ/デ…

エフゲニー・キーシン

フランス放送フィルハーモニー @サル・プレイエル チョン・ミュンフン(指揮) エフゲニー・キーシン(ピアノ) メシアン/「微笑み(Un sourire)」 モーツァルト/ピアノ協奏曲第24番 デュティユー/「瞬間の神秘(Mystere de l'instant)」 シューマン/ピアノ協…

ブリュノ・デュモン『FLANDRES』(2006)[☆☆☆]@MK2 Hautefeuille ケン・ローチ『麦の穂をゆらす風』(2006)[☆☆]@L'Arlequin クリストフ・オノレ『Dans Paris』(2006)[☆☆1/2]@Escurial 三本とも今年のカンヌ出品作。受賞作品は戦争映画ばかりと言われたが、デ…

佐渡裕&パリ管

国立パリ管弦楽団 @サル・プレイエル 佐渡裕(指揮) モーツァルト/交響曲第33番 デュティユー/「響き、間隙、動きあるいは星月夜(Timbres,Espace,Mouvement ou "La Nuit etoilee")」 ショスタコーヴィチ/交響曲第5番 フィガロ・スコープによれば「小澤征…

ジョージ・キューカー!

ジョージ・キューカー『有名になる方法教えます(It sould happen to you)』(1954)[☆☆☆☆]@シネマテーク・フランセーズ ジョージ・キューカー『魅惑のパリ(Les Girls)』(1957)[☆☆☆☆]@シネマテーク・フランセーズ シネマテークではジョージ・キューカー特集。…

エマニュエル・ブルデュー『Les Amities Malefiques』(2006)[☆☆1/2]@MK2 Bibliotheque ジョージ・キューカー『ボーン・イエスタデイ(Born Yesterday)』(1950)[☆☆☆1/2]@シネマテーク・フランセーズ

ジャン=クロード・ブリソー『Les Anges exterminateurs』(2006)[☆☆1/2]@Gaumont Opera Premier

デセイのルチア@バスチーユ

ドニゼッティ(1797-1848)「ランメルモールのルチア(Lucia di Lammermoor)」 指揮/エヴェリーノ・ピド(Evelino Pido) 演出/アンドレイ・セルバン(Andrei Serban) ルチア(Lucia)/ナタリー・デセイ(Natalie Dessay) エドガルド(Edgardo)/マシュ…